_______ステージ・モデル_______
あらし


専門学校でもやった、シェイクスピアの『あらし』を再びやりました。
詳しいあらすじは、このページを見ると分かるります。
(スペシャルTHANKS:シェイクスピア戸所研究所

今回のデザインのコンセプトとして重視したかったのは、
「自然の偉大さ恐ろしさ」です。
プロスペローは嵐や、島の自然の美しさを、自分勝手な理由で操作していますが、
それが、どれだけの大事なのか理解しているのか、というのが、劇を改めて読んだ感想だったのです。

あと今回は、島に流されてきた、我侭で頭の固い国王たちと、
島に住んでいる妖精やプロスペロー達のコントラストを出すために、
「アールデコとアールヌーボーの共存」をテーマにデザインしています。
アールデコの直線美と、アールヌーボーの曲線美をかなり研究して、
繊細かつダイナミックな舞台を目指しました。




舞台全体

上からの写真です。
観客は、この青い壁の上のバルコニーから、
まるで等身大ゲームボードを見るような感じで、舞台を見下ろす事になります。
奥の回転ドアから登場人物が出入りします。
登場人物の出入りが多いのでこうなった、というのもあるんですけど、
台本を読んだ時に、島の「不思議な音」に関するフレーズが沢山でて来たので、
それを使いたくて、普通のドアよりも大きな動きの回転ドアにしました。
4枚の扉のデザインが違っていて、人物が扉を通る時に、それぞれ違う音がする仕掛けにしたいのです。



日時計

舞台の上にある直径8m、高さ4mの大きなモニュメントは、
日時計を意識したデザインで、特に針のパーツの細部は、アールヌーボーの資料を参考にしました。
日時計のまわりの輪の部分が不思議な模様になっていて、
その部分の回転と、日時計の目の前の方位磁針の針の動きによって、
「島の違う場所なんだよ」というのを示す、という役割をしてくれます。



方位磁針

アールデコの資料を参考にデザインしました。
大理石ののような、和紙のような、不思議な素材です。
(薄紙に色を塗ったのを2枚ぴったり重ねて貼ってあります)
演出次第で、いろんな場面に使えそう。
針が動くときの音は、「キリキリキリ・・」という感じの、古い機械のような音がいいですねぇ♪



回転ドアの外側から

といっても、観客はもっと上から舞台を見下ろしているので、
この角度から見るのは、役者さんだけですね。笑



照明・その1

照明でこういう演出ができるんだ、というのを撮影中に発見しました。
花と日時計の針の部分壁に浮き出て、影絵みたいになるんですね。
これも演出家さんとの相談で、色々遊べそうです。



日時計のクローズアップ

この花を作るのが意外と難しかった!
色付けはスプレーだったので、あっという間でしたね。



照明・その2

はじめて「逆光」で撮ってみた1枚。
この写真、「焼き増しして、ちょーだい」とクラスメイトに言われました。笑



クライマックス

日時計のまわりの輪が回りきって、輪の上にあった頭のパーツと日時計の針の部分が合い、
はじめて巨大トンボが姿を現れます・・



クライマックス-上から

そして、方位磁針の針とトンボの頭がはじめて向き合うのです。
島のパワー!みたいのをそのまま表現したくて、このシーンを一番はじめにデザインました。
今にも動き出しそうな角度にデザインしたトンボの手も
プロスペロが忘れかけている「自然」の恐ろしさを物語っています。



番外編1

白いバックで写真を撮ることは少ないんですが、
ちょっとフィギアにあわせて遊んでみました。
どうでしょう(^^)



番外編2-ミランダ

あらしには、沢山登場人物がいるのに、女の子はミランダだけなので、やっぱりヒイキしてしまいました。
顔は、ものすごく描きたかったんですけど、かえって雰囲気を壊すかな、と思い、やめました。
ミランダの衣装はものすごく薄いシフォン生地なため、今回は薄紙を使っています。
指先が結構リアルですね、今回。ちょっと満足。笑

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